研究課題/領域番号 |
18K18744
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
山瀬 博之 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (10342867)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 物性理論 / 金属絶縁体転移 / 量子化条件 / 擬一次元物質 / プラトー |
研究成果の概要 |
本理論研究では、Nx本の鎖から成る擬一次元物質を対象とし、そこに歪みを加えても電子系の異方性が変化しない「電子異方性プラトー」という全く新しい現象の物理的理解を目指した。その結果、プラトー状態は、擬一次元物質を構成する鎖の数とサイトあたりの電子数のみで決まる量子化条件で規定された新規な絶縁体であると位置づけられることが分かった。量子化条件は、Lieb-Schultz-Mattisの定理からも導くことが出来ることを突き止め、電子異方性プラトーは、類似現象である量子スピン系の磁化プラトーや整数量子ホール系のホール伝導度プラトーと並んで、物性論における第3のプラトーと位置づけられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Nx本の鎖から成る擬一次元物質の歪みを制御することで、鎖を構成する物質によらずに金属・絶縁体状態を一般的に実現できる、という新しい物質観を与える点で学術的および社会的意義がある。この結果は、系の詳細には依存せず擬一次元物質の一般的性質である。現在、電子異方性プラトーに対応する物質やシステムは知られていないが、本理論的知見がナノまたはアトムテクノロジーを駆使することで将来的に確認される日は遠くないと期待している。
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