研究課題/領域番号 |
18K18766
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高柳 匡 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (10432353)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 超弦理論 / 量子エンタングルメント / ゲージ重力対応 / 経路積分 / 場の量子論 / 量子情報 / 場の理論 / 格子模型 |
研究成果の概要 |
研究代表者らによって2017年に提案された「経路積分の効率化」は、量子臨界点の物理法則を記述する理論である共形場理論に対して、その量子状態がどれだけ複雑かあらわす「量子計算複雑性」と呼ばれる重要な量子情報量を計算する強力な手法を与える。その効率化の過程で、反ドジッター宇宙が現れ、共形場理論と反ドジッター宇宙における重力理論の対応関係である「ゲージ重力対応」との関連が予想されていた。本研究における研究成果のハイライトは、この謎の解明である。具体的には、反ドジッター宇宙のHartle-Hawking波動関数を最大にすることが、共形場理論の経路積分の効率化に相当することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲージ重力対応は、重力の相互作用が存在しない物質の理論(量子多体系)が、1次元高い宇宙の重力理論と等価になることを主張する大変謎に満ちた対応関係である。非常に多くの具体的な検証がなされており、正しいことは疑う余地がなく、最近の理論物理学における新展開の原動力となっている。本研究で得られた成果は平たく言うと、「量子臨界物質に対する効率の良い計算法を探すプロセスは、実は重力理論において出現確率がもっとも大きな宇宙を探すことに相当している」という新しい理解である。いわば、あるクラスの量子物質を解析する際に、重力理論が高速な量子計算機の役割を果たしているように見える。
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