研究課題/領域番号 |
18K18775
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分16:天文学およびその関連分野
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
江副 祐一郎 首都大学東京, 理学研究科, 准教授 (90462663)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | X線望遠鏡 / シリコン / 高温塑性変形 / X線天文学 |
研究成果の概要 |
本研究では Si 基板の高温塑性変形を用いた新しい軽量X線全反射鏡を開発した。Si を高温でプレスすることで結晶面のずれを生じ、自由な形状に変形する日本発祥の手法である。剛性が高く、軽量な Si 基板を用いることで、従来の日本のX線天文衛星に搭載されてきたフォイル方式の鏡の軽量性を保ったまま、角度分解能の向上が期待できる。我々は本手法で世界で初めて円錐治具での変形を行った上でX線照射を行い、最も形状の良い基板中央部で角度分解能として約30秒角を達成した。治具の改良と変形条件出しでさらなる向上が期待できる。さらに Si 表面への原子層堆積法による Pt 膜付けも開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目的は将来のX線天文衛星に向けて、軽量かつ解像度の良い新たな望遠鏡を開拓することである。日本独自のSi 基板を高温でプレス変形する手法で、本研究で世界で初めて本手法で円錐鏡を試作して、角度分解能で基板中央部で約30秒角という、一つの目標である<1分角を達成した。基板端では治具の噛み合わせが悪く改良を要するが、形状を改善した治具の製作にも企業の協力により成功しており、近い将来の衛星搭載に向けて大きな期待が持てる結果である。また Si 表面への原子層堆積法を用いた膜付けも世界に先駆けて行った。宇宙用だけでなく、X線レントゲンなどの医療や微量分析などの地上応用も可能と考えている。
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