研究課題/領域番号 |
18K18850
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関 宗俊 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (40432439)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 酸化鉄 / スピングラス / パルスレーザー堆積法 / 酸化鉄結晶薄膜 / 酸化鉄薄膜 / 脳型素子 / クラスターグラス |
研究成果の概要 |
室温で動作する脳機能模倣素子の開発に向けて、新規クラスターグラス磁性体の作製とその物性評価に関する研究を推進した。具体的には、スピネル型の結晶構造を有する鉄酸化物を母体材料に用いて、元素置換により室温付近の高温グラス転移温度と大きな光応答性(グラスの光融解)を発現するクラスターグラス薄膜の作製に成功した。また、その構成カチオンの原子価を制御することによって、キャリアタイプが変調されることも見出した。さらに、超低消費エネルギー型素子の実現に向けて、新しいクラスターグラス磁性体を作製し、その磁気特性と結晶構造を制御することにより、スピン波の伝搬を室温で初めて観測することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、高温クラスターグラスを発現する物質を作製し、その磁気特性の光制御を実現しただけでなく、グラス状態を室温においてスピン波伝搬の形で簡易かつ高感度で検出することに成功した。この成果は、莫大な消費電力のもと決定論的作動を高速で行う従来のノイマン型コンピュータに代わる、柔軟かつ超低消費電力型の革新的情報処理システムの実現への道を開くものであると考えられる。また、本研究で扱った材料・素子を構成する元素の多くが、Fe(クラーク数4位)、O(1位)、Si(2位)、Mg(8位)等の地球上に豊富に存在する資源であることは、産業応用の観点から大きな意義を持っている。
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