研究課題/領域番号 |
18K18924
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷本 潤 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60227238)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 感染症 / 季節性インフルエンザ / ワクチン接種ジレンマ / 数理疫学 / 進化ゲーム理論 / マルチエージェントシミュレーション / パンデミック / インフルエンザ / 人工社会システム |
研究成果の概要 |
情報科学,疫学,ネットワーク科学,進化ゲーム理論を複合的に応用し,ワクチン接種の社会行動を模擬するマルチエージェントシミュレーションモデルを人工社会上に構築した.準備研究で構築してきたワクチン接種ゲームの枠組みに,補助金スキームを付加し,補助金の税負担,疾病コスト,ワクチン接種コストすべてを含む社会コストを最小化するのに最適な,補助金スキームの基礎デザインを行うために大規模数値実験を行った.従来知見から予想される「スーパースプレッダーとなるハブのエージェントに優先的に補助金によるワクチン接種を行う」との枠組み,多くの場合に有効に機能するものの,万能ではないとの反例が明らかにされた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
予防接種コストが小さく,かつ,補助金の総予算規模が小さきときには,ハブではなく,社会複雑ネットワークの隣人数が小さい周辺部のエージェントに優先的に補助金を給付する方が,寧ろ社会効率が高くなる.これは,次数の高いハブエージェントは,感染リスクを自ら認識し,自助努力で予防接種する可能性があるため,かれらに予防接種補助金を給付することは,大感染予防には意味があっても,社会的誘引効果によってミスから予防接種を行うエージェントを増やす社会ダイナミクスが一部で阻害される,つまり補助金によるワクチン接種の無駄うちが生じてしまうことによるものである.この発見は社会的処方箋をデザインする上で有意な知見である.
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