研究課題/領域番号 |
18K18945
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻 伸泰 京都大学, 工学研究科, 教授 (30263213)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 六方晶 / 粒界 / プラストン / 延性 / 塑性変形 / 加工硬化 / 変形双晶 / 粒界すべり |
研究成果の概要 |
純MgおよびMg-Zn-Zr-Ca合金に対して、数百nm~100μmの種々の平均粒径の完全再結晶組織を有する試料を作製することに成功した。Mg-Zn-Zr-Ca合金の場合は、バルクナノメタル化によって通常は活動しない<c+a>転位が粒界から発生し、<a>転位などと相互作用することによって加工硬化が増大して、高い強度と延性が両立できることが明らかとなった。純Mgの場合にはバルクナノメタル化によって、室温でも粒界すべりが発現することが初めて見出された。特異な変形挙動の粒径依存性をプラストン概念に基づいて定量的に説明し、高い強度と大きな延性をもたらすMgを実現するための指針を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Mgに代表される六方晶金属・合金は、軽量・高比強度などの優れた特性から構造材料としての応用が渇望されてきたが、乏しい遠征・加工性がその実用上の最大の障害となってきた。本研究は、プラストンという新しい概念に基づき、通常は活動しない変形モードを超微細粒Mgにおいて活性化し、強度と延性の両立を図ることが可能であることを実証したものである。本研究の成果は、構造材料の塑性変形に対する考え方を大きく転換するという学問的意味合いに加え、軽量金属として期待されつつも乏しい加工性が障害となっていた六方晶マグネシウム合金の構造材料としての応用可能性を拡大するという実用的・社会的観点からも、高い意義を有している。
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