研究課題
挑戦的研究(萌芽)
脳のような極めて複雑なシステムの理解には,システム全体から構成要素へと階層的に落とし込めていく還元論的アプローチと,個々の構成要素を階層的に積み上げていくことでシステム全体を組み上げる構成論的アプローチの2通りが採られる。本研究では,後者のスタンスに基づき,(1)表面近傍に配列形成したNVセンターと細胞パターニングとの融合による神経細胞の自発発火パターンの長期計測を可能にする方法論の構築,および,(2)神経細胞どうしの接続を制御し,単一または少数個の実神経細胞回路の再構成とその発火パターンの解析を実験と理論の双方から検討することを目的として本研究を進めた。
ダイヤモンド中のNVセンターを電位プローブとして実神経細胞の発火を検出できる計測系の実現を試みると同時に,そのようにして基板上の構築された実神経細胞回路が提示するであろう発火パターンの理論予測の両面から研究を進めた。現時点では,NVセンターによる実神経細胞の発火計測は,当初の予測に反し,感度不足が原因で達成されていない。一方,単一または少数個の実細胞からなる神経細胞回路が発現する自発発火パターンに関する理論予測において,特にオータプスが発現する機能の観点から新たな発見があり,オータプスが神経ネットワーク全体の同期生成に深く関与していることを示唆した。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 11件、 招待講演 1件)
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