研究課題/領域番号 |
18K19049
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原田 潤 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (00313172)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 分子性固体 |
研究成果の概要 |
いつかの柔粘性/強誘電性イオン結晶を開発し,その粉末試料を高温で加圧成形することで,バルク多結晶体を作製した.圧電テスターを用いて多結晶体のd33値を求めたところ,80~110 pC/N程度の分子結晶としては非常に大きい値を示すことを見出した.また,これらの結晶では,その強誘電性分極の起源がカチオンとアニオンの配置のズレによるもの,極性分子の双極子モーメントによるもの,いずれにおいても大きな圧電性が観測されている.このことは,柔粘性/強誘電性イオン結晶で見られる大きな圧電性が,結晶格子の加圧変形のしやすさに起因していることを示唆している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無機酸化物セラミクスの強誘電体は圧電材料として産業界で広く用いられている.しかし,高性能材料の多くが有毒な鉛や希少元素を含むため,その代替材料が強く求められている.近年,無毒で豊富な元素からなる分子結晶の強誘電体が大いに注目されているが,圧電材料としての研究展開はほぼ未開拓である.その大きな理由の一つとして,分子結晶は結晶構造の対称性が低く,一般に,多結晶体では圧電体として機能しないことがあげられる.本研究では,我々が最近開発した柔粘性/強誘電性イオン結晶という新しいタイプの強誘電体に着目し,分子結晶として初めて多結晶体での大きな圧電性発現に成功した.
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