研究課題/領域番号 |
18K19062
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
手木 芳男 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (00180068)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | πラジカル / 超高速系間交差 / ペンタセン / π共役 / 増強系間交差 / 光耐久性 / 有機半導体 / フェムト秒系間交差 / 過渡吸収 / ペンタセン-ラジカル連結系 / 励起状態ダイナミクス / πトポロジー / ペンタセン誘導体 / 超高速過渡吸収 / 系間交差 / 励起二重項 / 励起四重項 / 超高速失活機構 |
研究成果の概要 |
本課題では、光に対して不安定な物質を基底状態の電子状態を改変することなく著しく安定化させる一般的手法の確立を目的として、平面性を高めて強くπ共役させた新規なペンタセン―安定ラジカル連結系を合成し、それらのπラジカル系の超高速励起状態ダイナミクスを明らかにした。その結果、これらの系では、重原子を含まない純有機系であるにも関わらずサブピコ秒程度で起こる系間交差と、それに続く基底状態への超高速失活が実現できた。これにより、著しく高い光耐久性を有する純有機半導体の設計指針の確立ができた。純有機系でのフェムト秒領域での系間交差は、有機物質の励起状態ダイナミクスの常識を転換する可能性を秘めた成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペンタセンは有機半導体の代表的な物質である。ペンタセン骨格とπラジカル部位とを強くπ共役させることにより、光耐久性の著しく高いペンタセン誘導体の代表格として知られているTIPS-ペンタセンを遥かに凌駕する光耐久性が実現できた点は、この種の手法を用いて光に不安定な物質を著しく安定化できる手法を示したことになり、その社会的意義は高い。また、重原子を含まない純有機化合物で、サブピコ秒程度(フェムト秒領域)で起こる系間交差を実現できることを示した点は、学術的意義が高いと判断される。
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