研究課題/領域番号 |
18K19065
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐甲 徳栄 日本大学, 理工学部, 准教授 (60361565)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 光物質相互作用 / 放射反作用 / マックスウェル方程式 / シュレディンガー方程式 / 分極電流密度 / 電子波束 / 縦波・横波 / レーザー場 / シンプレクティック積分法 / 電子相関 / 振動子強度 / スピン分極 / 共鳴トンネリング / 自己相互作用 / 時間領域差分法 / ナノ物質 |
研究成果の概要 |
放射反作用の効果を取り入れた信頼性の高い光物質相互作用の計算方法を確立するために,マックスウェル方程式とシュレディンガー方程式を連立させるための鍵となる分極電流密度の詳細な解析を行った.電子密度の連続の式から導かれる実空間での分極電流密度は縦波・横波成分の両方を複雑な形で含むため,クーロン自己相互作用に対応する縦波成分を除去する必要がある.具体例として,擬1次元ナノ空間に拘束された電子にレーザー場が照射された系に着目し,逆空間での波数ベクトルとの直交条件を課すことによって,分極電流密度の縦波・横波の分離に成功した.その結果,系の次元性に応じて縦・横成分比が大きく変化することが見出された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光物質相互作用を扱う従来の理論モデルでは「電子系の励起による入射電磁場の変形」は小さいと仮定して無視し,そのため電磁場は電子系の励起とは無関係に a prioriに決まった変化をする時間依存ポテンシャルとして扱われてきた.近年,近接場を利用した顕微分光に代表されるように,物質の光励起によって局所的に生成する強力な電磁場が物性に与える影響に大きな注目が集まっている.このため「電子系による電磁場への反作用」を取り入れた本理論モデルの構築および計算方法の開発は,今後更なる実験の進展によって重要性が増すと考えられる.
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