研究課題/領域番号 |
18K19068
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 和範 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (40403696)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 炭素同素体 / 二原子炭素 / ヨウ素 / 超原子価 / 反応機構 / 超原子価ヨウ素 / フラーレン / カーボンナノチューブ / ラジカル / グラフェン / グラファイト / 四重結合 / ハロゲン |
研究成果の概要 |
高い反応性を示す中間体には、その構造・物性・反応性について、今日でもよくわかっていないものが数多く存在します。その中で、特に二原子炭素(C2)は化学結合の本質的理解や炭素同素体の生成機構、生命の誕生の謎に関わる重要な研究対象です。本研究を通じて我々は、三価の超原子価アルキニルヨーダンを用いることにより、非常に温和な条件でC2を発生できることを初めて明らかにしました。溶液中の反応性から、C2は炭素間に四重結合性があること、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイトなどの様々な炭素同素体を低温で生成することを見出しました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の新しい反応を実現することにより、これまで発生方法が過酷な条件(3500℃以上の高温下等)に限られていたため、性質が謎に包まれていた基底状態のC2のユニークな物理化学的性質を明らかにすることができました。これには炭素では初めての四重結合性を証明できたことが含まれており、化学の教科書に新しい1ペー ジを書き加えることができる成果です。また本研究を通じて、これまで機構が不明であった炭素同素体の生成機構の一部が明らかになり、炭素の材料科学への新しいアプローチを提供できたという観点でも意義深いと考えられます。
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