研究課題/領域番号 |
18K19076
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 正治 京都大学, 化学研究所, 教授 (00282723)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 有機合成 / 触媒 / 木質分子変換 / 木質バイオマス / ナノセルロース / リグニン / 鉄触媒 / 有機酸触媒 / 脱リグニン / 高純度セルロース / 分子触媒 / 有機合成化学 / 森林化学産業 / 循環型社会 |
研究成果の概要 |
本研究で は,分子構造を高度に設計・制御した有機および錯体触媒群を組み合わせた「木質分子変換触媒クラスター」を新たに開発し,スギ材・原木を穏和な 条件下で制御分解し,さらには直接有用化合物の合成を行う分子変換反応を開発する。ある種の有機スルホン酸触媒を用いた,過酸化水素による木粉の脱リグニン・脱ヘミセルロース反応を開発し,60-80°C程度という穏和な条件のもとで,グルコース成分が90%程度の高純度セルロースを高収率で得る事ができた。さらに,ここで得られるセルロースは簡易な解繊作業で数十ナノメートル幅のナノセルロースナノ集合体に解繊されることが電子顕微鏡および分子間力顕微鏡で明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行の有機合成化学では,石油化学工業によって化石資源から得られる小分子を出発原料とし,農薬や医薬品,電子材料など我々の生活に欠くことが出来ない 機能性分子を合成している。本研究では,社会の持続的な発展のために,再生可能炭素資源である樹木由来の木質バイオマスを,直接有用化合物に変換する分子触媒技術を開発し,未踏の「森林化学産業」の基盤となる次 世代有機合成化学を開拓した。日本固有でかつその有効利用法の開発が焦眉の急を要しているスギ材・原木を原料木質バイオマスとした木質分子変換反応を開発 した。
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