研究課題/領域番号 |
18K19089
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小島 隆彦 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20264012)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ルテニウム錯体 / パラジウム錯体 / 水溶液 / 芳香族化合物の酸化分解 / 水素発生 |
研究成果の概要 |
N-ヘテロ環状カルベン(NHC)を配位子として有するRu(II)-アクア錯体を触媒、(NH4)2[Ce(NO3)6]を酸化剤として、酸性水溶液中でベンゼン誘導体を酸化的に分解し、ギ酸及びカルボン酸を生成する反応系を構築した。生成物の定量分析、触媒反応の速度論的解析、酸化生成物中間体の検出により、その反応機構を明らかにした。さらに、その反応液のpHを調整し、Rh(III)錯体触媒を加えると、生成したギ酸からワンポットで水素を得ることに成功した。一方、Pd錯体を触媒、Oxoneを酸化剤とする、ポリハロゲン化アリルの酸化的分解によるギ酸の生成を見いだし、その酸素源はOxoneであることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
芳香族化合物の触媒的酸化反応は、水酸化が盛んに研究されているのに対し、本研究では、新規な酸化活性種であるRu(III)-オキシル錯体の反応性として、芳香環の酸化的分解による水素源となるギ酸が生成することを見いだした。これは、電子的に等価なRu(IV)-オキソ錯体とは全く異なるユニークな反応性として特筆に値する。また、環境汚染物質である芳香族化合物を、水溶液中で効率よくギ酸及びカルボン酸に分解し、ギ酸をワンポットでエネルギー源としての水素に変換する手法を確立したことは、環境・エネルギー問題の解決への一助となる。
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