研究課題/領域番号 |
18K19099
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 高史 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20222226)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 人工補因子 / F430 / ヘムタンパク質 / ニッケル錯体 / メタン生生 / メタン生成 / ミオグロビン |
研究成果の概要 |
メタン生成に関与しているニッケルヒドロコルフィノイド補因子F430を含むメチル補酵素Mレダクターゼ(MCR)に着目し、本研究では人工補因子であるニッケル一価テトラデヒドロコリンを含む再構成ミオグロビンを、MCRのタンパク質の機能モデルとして提案した。この再構成タンパク質は、ヨードメタンだけでなく、メチルp-トルエンスルホン酸塩やヨウ化トリメチルスルホニウムなどのメチル供与体と反応し、ジチオナイトを含む水溶液中で触媒的メタンの発生が認められた。さらに、この再構成タンパク質では、臭化ベンジル誘導体のホモカップリング生成物を与えず、還元的に脱臭素化された生成物に変換することも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニッケルヒドロコルフィノイド補因子F430を含むメチル補酵素Mレダクターゼ(MCR)は、嫌気性条件下での生物学的メタン生成に関与していることが知られている。しかしこの酵素は複雑かつ不安定であり、本研究を開始する時点では、化学の立場からの研究があまり進んでいなかった。今回、この複雑な酵素を理解するために、簡単な構造を有するミオグロビンを反応場として、補因子も単純化したニッケル錯体を複合化させることにより、温和な条件下でメタンを触媒的に発生させることを初めて達成した。ニッケル錯体を含むMCR触媒によるメタン生成の機構に対する理解に貢献している点で学術的意義が認められる。
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