研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、mRNA修飾の一種である始端m6Aメチル化酵素の同定に端を発する、始端m6Aに関連する機能的意義の解明を目指した。まず始端m6Aメチル化活性を持つ酵素の特定に成功し、酵素が基質mRNAを識別するために必要な構造的特徴を見出した。メチル化酵素の結晶構造解析で得られた知見を基に、mRNAとの相互作用様式や活性に重要な残基を特定した。また、メチル化酵素の遺伝子ノックアウト細胞株における酸化ストレス感受性を見出し、始端m6A修飾が、始端m6Aを持つmRNAの翻訳効率を増強させる性質を見出した。
1970年代における始端m6Aの発見以降、生合成や機能が不明なまま約40年が経過していたが、今回、始端m6A修飾の生合成機構や機能的意義の解明にはじめて成功した。始端m6A修飾は我々ヒトを含む脊椎動物で主に見いだされる、生物種分布が特徴的な修飾である。脊椎動物の生物種としての特徴を深く理解する上でも、始端m6A形成メカニズムの解明は一定の意義があると言えるだろう。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Science
巻: 363 号: 363 ページ: 1-7
10.1126/science.aav0080
生体の科学
巻: 69 ページ: 398-399
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/soe/press/setnws_201811270918295542170205.html