研究課題/領域番号 |
18K19167
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長尾 翌手可 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (30588017)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | タンパク質合成 / tRNA / メチオニン / 翻訳開始 / 開始tRNA |
研究成果の概要 |
タンパク質合成はメチオニンから始まるということは生物の普遍的な事象の一つであるが、その理由については明らかになっていない。今回、細胞内の全開始tRNAを改変しメチオニン以外のアミノ酸でタンパク質合成が開始するような大腸菌を創出し、遺伝子発現や表現型の異常を観察することで開始メチオニンの役割や意義を解明することを試みた。実験系の構築は成功したが、全タンパク質合成での開始メチオニンの置換を試みると細胞が生存できなくなることが判明した。一方、開始tRNA上の37位塩基の変異によって非AUG開始遺伝子の翻訳が減少することが分かり、37位塩基が翻訳開始に重要な役割を持つことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内の全開始tRNAを目的の改変型にするために、大腸菌ゲノムを改変しカウンターセレクション法によって変異型tRNA発現プラスミドと完全に置き換える方法を確立した。これまで変異tRNAを発現させる方法はあったが、完全に置換する方法はなく、目的tRNAが細胞内で機能するかどうかの判別に有効である。今回、目的の変異開始tRNAは獲得できず開始メチオニンの重要性を強調する結果となったが、その過程でこれまで報告がないような37位の塩基が翻訳開始に重要な役割を示唆することができた。また、タンパク質N末端解析の必要性から、合成中新生鎖の質量分析解析法といった新しい検出法を確立し、学会等で報告している。
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