研究課題/領域番号 |
18K19215
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
末次 健司 神戸大学, 理学研究科, 教授 (70748839)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ナナフシ / 単為生殖 / 受動分散 / 被食動物散布 / 種子散布 / 受動的分散 / 長距離散布 / 鳥散布 / 種子散布共生 |
研究成果の概要 |
植物の散布様式の一つに、果肉を報酬として鳥に種子散布を託す方法がある。我々はこのことに着想を得て、卵を持ったメス昆虫が鳥に摂食された場合、未消化のまま卵が排泄され分散に寄与しうるとの仮説を立て、固い卵殻を持つナナフシの卵をヒヨドリに摂食させた。その結果、多くの卵が無傷で排泄され、その一部は孵化することが明らかになった。 さらにナナフシモドキを全国から収集し、COI 遺伝子塩基配列、核マイクロサテライト、SNP解析を行ったが、明瞭な遺伝構造は認められなかった。これらの結果は、翅をもたず、能動的な分散能力が低いと予想されるナナフシモドキにおいて、受動的な長距離移動が起こっていることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鳥と昆虫は、捕食者と被食者の関係にあり、鳥類に捕食されれば、昆虫は子孫もろとも生存の可能性を失うというのが通説であった。本研究は、この常識を覆し、分散能力の低い昆虫では、鳥に食べられることがむしろ、移動分散や分布拡大、異なる個体群間での遺伝子交流を促進する要因になりうるという新たな視座を提供するものである。つまり本研究は、生物地理や種分化、生物間相互作用など多様な分野の新たな地平を切り開く成果といえる。
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