研究課題/領域番号 |
18K19221
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 雅紀 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (30505251)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 海洋天然物 / 生合成 / 共生細菌 / 垂直伝播 / マクロライド / 海綿 / 生合成遺伝子 / バクテリオサイト / 二次代謝 / メタゲノム / FISH / シデロフォア / 難培養 |
研究成果の概要 |
有用海洋天然物産生菌の分離培養技術開発のため、Mycale属海綿をモデルとして生産菌のメタゲノム解析と共生様式の解析を行った。その結果、有用物質生産菌の完全長環状ゲノム配列を決定した。単独培養可能な近縁種と比較し、ゲノムの縮小が確認されたが、基礎的な代謝能を維持している事が明らかになった。また、生産菌は胚の段階から共生する、親世代からの垂直伝播により獲得される事が確認された。さらに胚の段階で既に細胞外共生であるが、バクテリオサイト様の膜構造に包まれた状態で親世代から移行する事が示唆された。これらの知見は代謝制御および共生確立機構に基づく、有用細菌の分離培養の実現につながると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海綿からVerrucomicrobium門に属する有用物質生産共生菌の詳細なゲノムおよび共生確立機構について初めて明らかにすることができた。ゲノム情報から代謝能や発現タンパク質の解析が可能になり、また共生機構からは宿主中で選択的に獲得および維持される仕組みの解明が可能になる。これらの情報から今後の分離培養への具体的な取り組みが可能となった。 今回解明した細菌群は共生細菌や環境細菌として普遍的に存在するが、ほとんど培養できていないグループであった。しかし、今回の知見から合理的な分離培養法の開発、そしてその機能の活用と、未利用遺伝資源の開拓に貢献できると期待される。
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