研究課題/領域番号 |
18K19262
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松脇 貴志 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20447361)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 低体温 / 感染 / 視床下部 / エストロゲン / PGE2 / prostagrandinE2 / mPGES-1 / LPS / 体温低下 / cFos / プロスタグランジン |
研究成果の概要 |
PGE2は脳内の発熱中枢領域に働いて体温を上昇させることで知られている。我々は過去に、PGE2合成酵素の遺伝子欠損マウスが、野生型で発熱を呈するレベルの感染刺激時に強度の体温低下を呈することを見いだした。この結果は感染時には発熱中枢と同時に体温低下を引き起こす機構が活性化されることを示唆しており、本課題ではこの機構の解明を目指した。その結果、①低体温時の脳内では複数の低体温中枢候補領域の神経細胞が興奮する。②末梢組織からの感染刺激を橋結合腕傍核が仲介し脳内の体温上昇/低下何かを担う領域に情報を伝達する。③体温低下機構の感受性が卵巣由来のエストロゲンによって亢進する。などの新たな知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
体温変化は感染時に生体が示す種々の適応反応のうち最も初期かつ鋭敏に起こるものであり、この制御機構の解明により、感染状態が慢性化/病態化するまでの過程を明らかにするとともに、上述した種々の重篤な疾病の予防としての臨床応用が期待される。 また、脳外科領域や長期透析療養における不明熱症状など、臨床において継続的に低体温を維持する需要は一定して存在するものの、古典的な発熱機構の知識のみに基づいた処置に留まっている。体温低下をもたらす機構および因子を明らかにすることは、こうした疾病・疾患に対して内分泌的なアプローチを安全に行う選択肢を提供することにつながり、生物学の基礎研究として応用性が高い。
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