研究課題/領域番号 |
18K19272
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
牛田 一成 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50183017)
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研究分担者 |
土田 さやか 中部大学, 応用生物学部, 講師 (40734687)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | スカベンジャー動物 / アフリカハゲコウ / 腸内細菌 / 保健効果 |
研究成果の概要 |
アフリカハゲコウは、もともとサバンナの腐肉食者で肉食動物であるが、近年、都市の大規模生ゴミ処理場などを中心に定着拡大した。元来、蛋白性の食餌に依存するハゲコウが、生ゴミのように炭水化物が多くかつ強度に腐敗した食物に適応できた高い生存力は、腸内細菌に由来すると考え研究を行った。元来の食事に近い屠畜場個体群と生ゴミ依存個体群を比較すると後者の菌叢多様性が高く、分離された乳酸菌種も多かったが肉食由来のペプトストレプトコッカスは減少していた。乳酸菌群のうち乳酸以外の抗菌物質を生産する菌種は、後者から前者の2倍以上の確率で分離された。ハゲコウの高い適応力は、消化管の乳酸菌群に依存することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肉食動物が雑食化していく際に、腸内菌叢の変化がおこり、炭水化物消化力を担保することで食性の変化に適応することを可能にしているものと示唆された。異なった食性をしめす同一種が存在する状況で初めて明らかにされた事実である。 また、ハゲコウのように腐敗した生ゴミに依存する生物の腸内乳酸菌には、乳酸以外の抗菌物質を産生するものが多いこともわかった。これらの乳酸菌は、家禽産業における減投薬システムの導入に役立つものと考えられ、集約的な畜産業から発生する抗生物質耐性菌を減少させることを可能にすると期待される。
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