研究課題
挑戦的研究(萌芽)
癌細胞で発現量が増加したSUMO化MDM2は、p53の分解を促進し、癌化が進行する。SUMO化MDM2が特異的に結合するSENP2配列と、シャペロン介在性オートファジーに関与するHsc70が特異的に結合する配列(Hsc70bm)の融合蛋白質発現用プラスミドを哺乳類細胞に導入すると、SUMO化MDM2とSENP2-Hsc70bmとHsc70の複合体がリソソームに運搬され、SUMO化MDM2が効率的に分解され、p53は分解しなかった。しかし、SENP2-Hsc70b発現用プラスミドをマウスの腫瘍に局所投与すると、SUMO化MDM2はわずかに分解し、p53は分解した。
蛋白質の翻訳後修飾が破綻した異常翻訳後修飾は、細胞内シグナル伝達や細胞機能で異常を引き起こし、疾患発症と関連することが多く、異常翻訳後修飾蛋白質が原因である多くの疾患が見出されている。異常翻訳後修飾蛋白質が特異的に結合する配列と、Hsc70が特異的に結合する配列の融合蛋白質を発現するプラスミドを細胞に導入し、異常翻訳後修飾蛋白質を特異的に人工的に細胞内で分解する新規手法の開発に、本研究成果は端緒を与えた。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
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