研究課題
挑戦的研究(萌芽)
真核生物のゲノムDNAは、細胞核内で多階層に折りたたまれている。この3次元ゲノムDNA構造として、Mb単位のTAD (トポロジカル相互作用ドメイン)やコンパートメントが提唱されているが、それらの形成機序や、遺伝子発現制御における機能は不明である。本研究は、エストロゲン受容体(ER)陽性乳がん再発過程の3次元ゲノム構造を解析した。ERをコードするESR1遺伝子座を含む0.7 Mbのゲノム領域から、エレノアと総称するノンコーディングRNAが過剰に転写され、それが 「エレノアTAD」を規定すること、再発乳がん細胞でエレノアTADは転写活性なA-コンパートメントに属することなどを明らかにした。
本研究は、萌芽期にあるが急激に進展している巨大クロマチンドメインTADの研究分野と、核内長鎖ノンコーディングRNAの研究分野を組み合わせた革新的なものである。研究代表者が蓄積してきたエレノアノンコーディングRNAの知見に基づき、高いオリジナリティをもって展開された。今まで研究されてこなかった高い次元の遺伝子発現制御の新たな機序を提唱した重要な基礎研究である。さらに、再発乳がんの新たな診断マーカーや治療標的同定、治療根拠の解明に道筋をつけたもので、社会的意義も高い。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 3件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (45件) (うち国際学会 6件、 招待講演 19件) 図書 (2件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)
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