研究課題/領域番号 |
18K19325
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大杉 美穂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00332586)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | マウス胚 / 一倍体 / 倍数性 / 雄性発生胚 / 一倍体細胞 / ハプロイド / ハプロイド細胞 / 単為発生 / 核形成 / マウス卵 |
研究成果の概要 |
哺乳動物の一倍体単為発生胚は胚盤胞到達率が低くゲノムの偶発的な倍化が起こるため、一倍体ES細胞の樹立効率が低い。本研究では、これらの問題点が「一倍体単為発生胚は核内DNA密度が二倍体胚の半分しかない」ことに起因するとの仮説をたて、検証した。単為発生開始時に第二極体の放出ではなく均等分割を引き起こす手法を確立し、細胞サイズが従来の半分になることで核内DNA密度が二倍体胚と同等となる一倍体胚を得た。得られた一倍体胚にも発生過程で一部にゲノム倍化は生じたが、約7割という高効率の胚盤胞到達率を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「核内DNA密度が二倍体胚の半分しかない」という細胞生物学的な特徴がゲノムの倍化と発生率の低下を引き起こすのではないか、という当初の仮説は、ゲノム倍化については否定され二倍体化の抑制はできなかったが、発生率については大幅な向上が達成できたことから、一倍体ES細胞の樹立の効率化につながる成果となった。 さらに、従来の一倍体胚がもつ二倍体胚との2つの違いのうち、ゲノムを1セットしかもたないという倍数性の違いがゲノム倍化を引き起こし、核内DNA密度が半減していること、あるいはゲノムDNAの量と細胞質の量とのバランスの崩れが、初期胚の発生、特に最初の数回の卵割に重要である、という新規の知見を得た。
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