研究課題
挑戦的研究(萌芽)
ほとんど全ての生物が有するリボソームによる細胞リプログラミング機能を解明し、細胞の多能性獲得に関する新たなコンセプトの創出を目的とした。リボソームはエンドサイトーシスとトリプシン処理の相乗作用により、細胞内に取り込まれることが明らかになった。リボソームタンパク質の中には細胞塊形成の活性を持つものが見つかっており、今後さらなる解析を進める。ヒト癌細胞でさえ大腸菌由来リボソームを取り込むと、細胞塊を形成し、その増殖が完全に抑えられることを見出した。
正常細胞にリボソームを取り込ませると、細胞塊を形成し、増殖が停止する。ヒト癌細胞(肺癌、乳癌、大腸癌、肝臓癌)でさえ大腸菌由来リボソームを取り込むと、細胞塊を形成し、その増殖が完全に抑えられることをシャーレ内で見出している。今後は、正常細胞を用いた研究で得られた実験結果を、ヒト癌細胞にも応用することにより、ヒト癌細胞の細胞周期制御機構や細胞増殖停止機構を明らかに出来、将来の安全・安心な抗がん剤の開発に発展する可能性がある。
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