研究課題/領域番号 |
18K19354
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
酒井 聡樹 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (90272004)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 食害 / 花 / アリ / 訪花昆虫 / 形質進化 / 虫媒花 |
研究成果の概要 |
飛翔昆虫を排除するとほぼ結実しなかった。すなわち、飛翔昆虫が送粉に大きく携わっていると考えられる。野外観察時、ハエやハチなどの飛翔昆虫が多く訪花していたことからも、飛翔昆虫に依存した送粉を行っていると考えられる。自殖も行われていなかった。 種子数は、コントロール個体に比べ、アリ排除個体の方が有意に多かった。アリは送粉に貢献しておらず、むしろ負の効果をもたらす盗蜜者に近い存在であった。茎の高さと種子数の間には交互作用があり、茎が高くなるにつれて、アリ排除の効果は薄れていく。高いとアリが登りにくいので、高くなるほどアリの影響が少なくなっていると考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
花形質の進化は、送粉者によって形作られてきた。これが、今現在のパラダイムである。アリの影響はほとんど無視されている。本申請課題の研究成果は、花形質の進化は、アリによる妨害への対策と、送粉者による送受粉の促進という両面で形作られたという可能性に発展するものである。そして、本研究の成果により、花形質の進化の研究は、アリ・送粉者の相互作用を常に考慮する方向へと転換するであろう。それにより、植物の繁殖戦略の研究が新たな方向へと進んでいくことが期待される。
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