研究課題/領域番号 |
18K19359
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2019-2020) 武蔵野美術大学 (2018) |
研究代表者 |
小薮 大輔 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60712510)
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研究分担者 |
飛龍 志津子 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70449510)
小林 耕太 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (40512736)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 進化 / エコーロケーション / 耳小骨 / コウモリ |
研究成果の概要 |
本課題では34種のコウモリとコウモリ以外の様々な哺乳類の聴覚器官系の発生を分析した。マイクロCTを用いた解析の結果、超音波利用能力をもつグループ2とグループ3のノドと聴覚器官は、オトナになると見分けがつかなくなるほど見た目は酷似しているものの、胎児期における形成の過程が全く異なることが分かった。一方で超音波利用能力をもたないグループ1の聴覚器官からノドにかけての骨群の形成の過程は、コウモリ以外の哺乳類と違いがなかった。このことから、コウモリの共通祖先が3つの系統に分かれたあとに、グループ2とグループ3で超音波利用能力が個別に進化した収斂進化の事例に当てはまることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コウモリは新型コロナウイルスの感染源の一つである可能性が指摘されているほか、エボラウイルスなどの人獣共通感染症の感染源でもあるとも指摘されている。さまざまな動物に重篤な症状を及ぼすこれらのウイルスにコウモリが感染しても、不思議なことにコウモリには重篤な症状がほとんど起きない。コウモリがなぜこれほどの強力な免疫系を有しているのかまだわかっていない。コウモリの生態、ゲノム、生理、進化に関する基礎研究が進むことで、コウモリはどのような免疫系と代謝系によってさまざまなウイルスとうまく付き合っているのか、人間への感染を防ぐことができるのかなど、さまざまな問題の解決への糸口がつかめてくると期待される。
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