研究課題/領域番号 |
18K19361
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
東城 幸治 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (30377618)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 昆虫 / 胚発生 / 胎生 / カゲロウ / 適応放散 / 卵黄タンパク質 / 栄養供給 / 栄養の再吸収 / 繁殖システム / 発生 / 新規の胎生 / 卵胎生 / 人工授精 / ハンドペアリング / 進化 |
研究成果の概要 |
フタバカゲロウは汎世界的に生息するカゲロウ類である。広域分布を遂げた背景には、人工的な水たまりも含めた幅広い水環境への適応と、単為生殖能力や卵胎生の獲得などが考えられてきた。
本研究では、まず本種の系統進化学的解析を実施し、日本列島や朝鮮半島の系統が派生的で、特異な種内系統であることを明らかにした。加えて、日本列島の系統には単為生殖能力がなく、発生様式も極めて特異であることを明らかにした。卵胎生ではなく、母体から栄養供給を受ける胎生である可能性を示唆した。また、従来知られているような昆虫類の胎生のどのタイプとも異なる、新規の胎生である可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球上で最も種多様性が高い昆虫類には、多様な形態や生態がよく知られている。しかしながら、系統の存続に強く影響する繁殖システムについては保存性が高く、一部の特殊な昆虫類に、卵胎生や胎生が知られる程度で、基本的には卵生が大多数を占めている。
この研究で注目したフタバカゲロウは最も身近な昆虫の一種で、学校の水泳プールなどにも生息し、北半球を中心に汎世界的に分布する普通種であるが、少なくとも本種の日本列島系統では、新規「胎生」という、特殊な発生様式をもつことが明らかとなった。これは、昆虫における多様性の理解や進化における神秘性に一石を投じる成果と言える。
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