研究課題/領域番号 |
18K19364
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
春田 伸 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (50359642)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 生残戦略 / 種間相互作用 / 細菌 |
研究成果の概要 |
紅色非硫黄光合成細菌の塩ストレス抵抗性を上昇させる土壌細菌を発見した。また、好熱性細菌の生育可能温度域を変化させる細菌を陸上温泉から見出した。さらに、緑色糸状性光合成細菌は、硫化水素の酸化産物である単体硫黄による生育阻害を受けるが、単体硫黄を硫化水素と硫酸に変換する硫黄不均化細菌との共培養により、良好に生育することが分かった。また、硫黄不均化細菌は自身の生成する硫化水素によって生育阻害を受けるが、緑色糸状性光合成細菌との共培養で良く生育した。毒性の高い生成物を相互に除去し合う共生関係を見出し、これら共培養条件における代謝を遺伝子転写レベルでも示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微生物は、ヒトの健康や植物成長、環境保全に大きな役割を担っている。動植物体内や自然環境は、微生物にとって常に生育に適した状態にあるわけではなく、生育不適環境における微生物の生残戦略を知ることは重要である。本研究では、ストレス抵抗性を高め、生育不適環境を生き抜く細菌種間相互作用を広く見出した。細菌の種間相互作用として、競争や阻害、捕食が古くから知られていたが、状況に応じて競争相手の力を借りる「合従連衡」ともいうべき生存戦略の発見は興味深く、環境細菌の協調作用や多種細菌の共進化を理解するうえでも重要な知見である。
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