研究課題
挑戦的研究(萌芽)
脳内情報は、神経細胞の活動電位発火の羅列によってコード化されていると考えられてきたが、申請者は、グリア細胞からグルタミン酸が放出されており、このグリアの作用が、神経信号を強力にコントロールし、動物の行動や学習にも影響を与えていることを明らかにした。何らかの形の信号が維持できて、加算・減算することが可能で、細胞機能を左右しうるなら、何でも、情報処理の因子となり得る。本研究では、細胞内浸透圧が、脳機能を強力に左右する因子として働き、浸透圧変化を使った情報処理が行われているという仮説を提唱した。浸透圧変化に応じて開閉するチャネルに注目し、それを介した伝達物質放出をひとつのアウトプットと捉えた。
生体には、神経・血管・代謝・免疫など、多数のネットワークが張り巡らされ、各々が様々な機能を担っている。各ネットワークは、それぞれの法則で稼働しており、生体がひとつの個体として整合性のある活動をするには、これらのネットワークを束ねるシグナルが不可欠である。脳というひとつの臓器の中にも、上記のような複合ネットワークが存在している。この多階層性の複合ネットワークの中心にいて、全てのネットワークを束ねている存在こそ、グリア細胞である。本研究では、浸透圧信号から始まるシグナルカスケードを追跡し、異種細胞間をまたがる信号の受け渡しを解析し、生体脳システムの状態を左右しているグリアの働きを明らかにした。
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