研究課題/領域番号 |
18K19370
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
殿城 亜矢子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 講師 (90645425)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 老化 / 記憶 / 加齢性記憶障害 / 可溶性グアニルシクラーゼ / NO合成酵素 / ショウジョウバエ / NOS / 遺伝 |
研究成果の概要 |
ヒトを含む生物は老化に伴い記憶が低下する。このような加齢性記憶障害は高齢者のQOLを低下させるため、そのメカニズムの解明が急務である。本研究では、加齢依存的に脳内で発現量が変化する遺伝子群をトランスクリプトーム解析により抽出し、ショウジョウバエの嗅覚記憶システムをモデル系とした記憶行動解析を行った。一連の解析により、加齢性記憶障害の原因候補遺伝子としてNOの受容体である可溶性グアニルシクラーゼ(sGC)のサブユニットを同定した。加齢に伴って脳神経系のNO-sGC経路が亢進することが記憶低下を引き起こすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NO-sGC経路は哺乳類でも保存されており、ヒト加齢性記憶障害を制御する候補遺伝子となり得る。またこれまでに、ハエ嗅覚記憶形成の変異体で同定された遺伝子は、ヒトを含む哺乳類でも機能的に重要であり、ヒトの記憶障害の原因解明につながった例は多い。本研究で明らかとなる加齢に伴う記憶低下の責任遺伝子群については、将来的にヒトを含む哺乳類でもその保存性を検討し、ヒトの加齢性の記億障害に対する新薬開発の候補を挙げるなど新たな治療方法へつながる基盤を提供していく。さらには、加齢性記憶障害の生体内マーカーとしての有用性に繋がることが期待される。
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