研究課題/領域番号 |
18K19392
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
仁科 博史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60212122)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | がん遺伝子 / ドライバー遺伝子 / 肝がん / 肝細胞 / YAP / 肝癌 |
研究成果の概要 |
がん遺伝子・がん抑制遺伝子など発がんの原因となる遺伝子はドライバー遺伝子とよばれる。ドライバー遺伝子の変異によって、細胞は増殖能を獲得し、発がんに至る。一方、ドライバー遺伝子が見つからないがんも数多く存在する。本研究では、「ドライバー遺伝子の痕跡が消失するがん発症機構の解明」を研究目的とした。活性型の転写共役因子YAPをコードする遺伝子を、マウス肝臓に一過的に導入した。その結果、3ヶ月以降に肝がんが発症した。興味深いことに、肝がんを構成する細胞で、原因である活性化YAPの発現は観察されなかった。すなわち、本実験系は、「ドライバー遺伝子の痕跡が消失するがん発症」であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんゲノム解析の結果、ドライバー遺伝子変異が検出されないがんも存在することが報告されるが、その原因を探求している研究はほとんど無い。それ故、本研究は国内外を通じて、ユニークな研究であると考えられる。また、申請者は、マウスを用いた肝がん発症機構の研究にモザイク解析法を導入したこと、正常肝細胞がゲノム変異無しでがん化する可能性を見出したこともユニークな研究になっていると考えられる。本分子機構の解明は、初期段階の発がんにおける微小環境の役割解明に繋がると期待される。初期段階のがん発症の分子機構が解明されれば、がん予防を目指す先制医療の基盤的知見となる。
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