研究課題/領域番号 |
18K19406
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
植田 正 九州大学, 薬学研究院, 教授 (90184928)
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研究分担者 |
宗 孝紀 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (60294964)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2018年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | ADAs / 免疫寛容 / 蛋白質デリバリー法 / リゾチーム / βラクトグロブリン / Fab / CH2ドメイン |
研究成果の概要 |
本研究室で既に見出されていた多量体ニワトリリゾチーム(HELと記載)に対する免疫寛容誘導法が、抗体医薬品使用の際に生じるADAs(Anti-Drug Antibodies)の抑制に応用できるかを調査した。HEL(塩基性蛋白質)、βーラクトグロブリン(酸性蛋白質)、ヒト型Fab(中性蛋白質)の多量体を生理食塩水に溶解しマウスに投与した。その一週間後にそれぞれの単量体をアジュバンドと混合して免疫した。同様の免疫操作を行うとともに、一週間毎にマウスから採血し、血中の各蛋白質特異的な抗体の産生量をELISA法により評価した。その結果、β-ラクログロブリン、ヒト型Fabでは免疫寛容誘導が起きなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニワトリリゾチームの多量体が免疫寛容(マウスにとって異物と認識されない)を引き起こすが、βラクトグロブリンやヒト型Fab(抗体の一部)の多量体では引き起こさないという結果を得ることができた。この結果から、マウス体内で塩基性蛋白質であるニワトリリゾチーム多量体が正電荷のクラスターを形成し、マウス体内で表面に負電荷を持つ細胞に効率的にデリバリーされ、免疫寛容誘導が起こった可能性がある。さらなる検証が必要であるが、この仮説が実証できれば、細胞へ人為的に蛋白質をデリバリーする方法の開発ができるのではないか。ついては、ヒトの免疫応答を調節可能な生体材料の創製につながる。
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