研究課題/領域番号 |
18K19430
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中村 俊一 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40155833)
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研究分担者 |
伊集院 壮 神戸大学, 医学研究科, 助教 (00361626)
梶本 武利 神戸大学, 医学研究科, 助教 (00509953)
岡田 太郎 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (80304088)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | スフィンゴシン1燐酸 / S1P受容体 / αシヌクレイン / パーキンソン病 / レビー小体 |
研究成果の概要 |
パーキンソン病の原因タンパク質α-Synはパーキンソン病患者の血清や脳脊髄液中に健常者に比べ高濃度存在することから、細胞外α-Synの細胞効果を調べた。その結果、細胞外α-Synは細胞膜の脂質ラフトからS1P1受容体を駆逐し、S1P1受容体とGiタンパク質との脱連関(アンカップリング)を引き起こすことを見出した。その結果、エキソソーム小胞への積荷(細胞内α-Syn)輸送が阻害され細胞内α-Syn濃度が上昇する可能性が示唆された。更にS1PはPKCζと調節結合し活性化することから、S1P/ PKCζシグナルを介したリソゾーム機能調節により細胞内α-Syn濃度が調節される可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病の9割以上を占める特発性パーキンソン病の病態解析は進んでいない。本研究の特徴はパーキンソン病の原因タンパク質αシヌクレイン(α-Syn)が患者の血清に高濃度に存在し、病気の進展に関与する可能性に着目し、細胞外α-Synの有するシグナル伝達系への変容能力を見出した点にある。特に細胞外α-Synが細胞内小胞膜上のS1P1受容体に作用し、Giタンパク質の活性化を阻害することで、エキソソームとしてα-Synの放出が減少し、細胞内濃度上昇を来たすことを示した。本研究はパーキンソン病の病態の理解に寄与し、分子標的治療薬開発に向けた緒となる結果を提供できた。
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