研究課題/領域番号 |
18K19457
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鈴 伸也 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 教授 (80363513)
|
研究分担者 |
日吉 真照 国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 主任研究官 (40448519)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
|
キーワード | エイズ / ナノチューブ / tunneling nanotubes / HIV-1 / マクロファージ / 細胞間伝播 / HIV |
研究成果の概要 |
HIV-1とtunneling nanotubes(TNT)と呼ばれる、遠隔の細胞をつなぐ細長い細胞膜突起との密接な関係を明らかにした。TNT形成に重要な宿主タンパク質M-Secに着目し、そのノックダウンでTNT形成だけでなくHIV-1産生量が有意に低下し、特に感染初期に激減した。M-Sec依存性のTNTがHIV-1の細胞間伝播、特に初期伝播に重要であり、HTLV-1についても同様の可能性を見出した。一方、M-Secは感染細胞の運動能にも重要なことも明らかにした。TNTと細胞の移動はどちらもウイルス伝播に有利であり、M-Secはこれら2つの機能を制御し感染を拡大させる因子であることを解明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エイズウイルスHIV-1は薬剤で抑えられる様になったが、完全には排除されないため、生涯の服薬を必要とし、これに伴う薬剤耐性ウイルスが問題となっている。実際、HIV-1受容体CCR5を標的にHIV-1の細胞への侵入を阻害する薬剤で成功しており、加速するには新たな標的宿主分子の同定が重要である。本研究の成果は、M-Secをその有望な候補として見出したことであり、大きな目標であるHIV-1の根絶につながる点で重要である。同時に、TNTの関与が明らかとなってきた、他の感染症、がん細胞の浸潤など、多くの病態の理解・克服にも有用である。
|