研究課題/領域番号 |
18K19465
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坪井 康次 筑波大学, 医学医療系, 名誉教授 (90188615)
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研究分担者 |
伊藤 敦夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (30356480)
梨井 康 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 移植免疫研究室, 室長 (60321890)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | がん放射線治療 / がん特異的免疫 / アブスコパル効果 / 免疫原性細胞死 / メソポーラスシリカ / 樹状細胞 / 放射線治療 / 陽子線治療 / がん特異的免疫療法 / 抗PD-1抗体 / iPS細胞 / がん陽子線治療 / メソポーラスナノ粒子 / 人工多能性幹細胞 |
研究成果の概要 |
マウス腫瘍モデルを用いて、がんに対する局所的放射線治療後に全身のがん特異的免疫を賦活する新たな治療法の開発研究を行なった。まず、がん抗原を担持できる多孔性メソポーラスシリカナノ粒子を放射線照射後の腫瘍内へ投与することで局所の治癒が得られた場合、強力なアブスコパル効果が誘導されることを示した。次に、骨髄、または人工多能性幹細胞由来の樹状細胞と、抗PD-1抗体を放射線照射後に投与することで、照射された腫瘍が「在所腫瘍ワクチン」に変換され、高い局所治癒とともに強力なアブスコパル効果が誘導された。以上から、局所放射線療法と全身的ながん免疫療法を融合する新たな概念の治療法の有用性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんに対する定位的放射線治療では周囲の組織を温存してがん病巣に集中した治療ができるが、照射野外での再発や遠隔転移を防ぐことが患者の予後改善のための大きな課題となっている。本研究課題では、メソポーラスシリカナノ粒子や樹状細胞を照射後に投与することで、照射により誘導された腫瘍細胞の免疫原性細胞死に起因したがん免疫を賦活して、在所ワクチン化できることを示した。定位的放射線照射と全身的がん免疫賦活が融合されれば、お互いが補完され、転移の予防にも高い効果が望める。理論的には、固形がんの種類を問わずに適応可能であることから侵襲性が低く有用性の高い新たながん治療の実現に向けた道筋が示された。
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