研究課題/領域番号 |
18K19478
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北尾 洋之 九州大学, 薬学研究院, 教授 (30368617)
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研究分担者 |
飯森 真人 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (20546460)
沖 英次 九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)
佐伯 浩司 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80325448)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 複製ストレス / RNA転写中間体 / FancD2 / DNA複製ストレス / RNA転写複合体 / 抗がん剤 / ゲノム不安定性 / 抗腫瘍効果 |
研究成果の概要 |
がんの特性であるゲノム不安定性は、正常なDNA複製が妨げられることによるストレス(複製ストレス)が原因と考えられているが、その内在的要因としてRNA転写中間体(R-loop)が提唱されている。申請者は抗がん剤トリフルリジン(FTD)作用による複製ストレスへのR-loop関与について検証した。FTDの作用により活性化したFancD2は転写を担うRNAポリメラーゼIIと核内で近接した。転写抑制剤によりFancD2活性化は抑制され、FancD2欠損時にはFTDによるDNA障害が重篤化した。抗がん剤に対する細胞応答において、FancD2によるR-loop解消が重要な役割を果たすと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗がん剤の作用メカニズムは複雑で、それぞれの理解は重要である。申請者の研究成果は、DNAに作用する抗がん剤の作用においてRNAの関与を裏付けるものであり、その意義は大きい。FTD/TPIは進行再発直腸結腸癌に対する治療薬として2014年に本邦で認可を受け、現在では、米欧、アジアでも広く治療に用いられている。近年、胃癌に対する適応も取得し、消化器癌に対する治療薬としての重要度も増している。申請者の研究成果は、FTD/TPIの抗腫瘍効果を担うFTDの作用メカニズムを理解する上でも重要な知見である。
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