研究課題
挑戦的研究(萌芽)
腫瘍組織が形成する特異な微小環境、いわゆる腫瘍微小環境(TME)の形成はがん細胞と非腫瘍細胞の細胞間情報伝達で成立する。本研究では、当研究室で単離したmiRNA分泌制御因子(タンパク質X)の機能解析を主として、miRNA分泌様式を理解し、miRNAの機能と合わせて細胞外miRNAの分類をすることを目的とした。肉腫細胞株が分泌するmiRNAを網羅的に解析し、単球細胞のマクロファージへの分化を誘導するmiRNAsを見出した。タンパク質Xはエクソソームとは異なる構造体として細胞外へと分泌され、miRNA複合体の細胞内輸送と細胞外分泌を制御することが強く示唆された。
細胞外へと分泌されるmiRNAの機能が様々なヒト疾患の病態誘発に重要な役割を有することは疑いない事実であるが、分泌機能の詳細とそれらの機能、特に腫瘍微小環境中に存在する非腫瘍細胞への影響は不明な点が多い。本研究の成果は、疾患誘発の分子機構について、ゲノム解析等では理解困難な問題を解き明かすことに有用となり、新たな作用機序に基づく治療・診断法の開発に向けた科学的根拠を提示する。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
Nature Communications
巻: 10 号: 1 ページ: 1299-1299
10.1038/s41467-019-09143-8
EBioMedicine
巻: 33 ページ: 33-48
10.1016/j.ebiom.2018.06.031