研究課題
挑戦的研究(萌芽)
エピゲノム阻害剤を、特定のDNA塩基配列を認識し結合する中分子PIポリアミドと縮合した中分子化合物を合成した。阻害剤親分子を癌細胞株に投与した場合と比較して、縮合剤を投与した場合、PIポリアミドが認識・結合する特定塩基配列が有意に多く含まれるゲノム領域に、より顕著にエピゲノム変化が認められた。PIポリアミドを用いて領域選択的に作用するエピゲノム阻害剤の開発は可能であり、さらに構造を簡素化したPIポリアミド縮合化合物を合成し、また胃癌や前立腺癌をモデルに癌で重要なエピゲノム異常に対してその領域を標的とするPIポリアミドを合成している。
エピゲノムとは細胞のゲノムの修飾物のことで、どの遺伝子を使いどの遺伝子を使わないか、つまりは細胞の運命や振舞いを決定する働きを持ち、その異常は癌の重要な原因の1つとなる。しかし現状のエピゲノム阻害剤は、癌の原因となっている異常修飾領域だけでなく、正常な細胞に存在する重要な修飾も含めてゲノム全体で作用してしまうことで副作用が問題となる。本研究は、特定の塩基配列を含む選択的なゲノム領域のみエピゲノム阻害剤が作用することを可能にする化合物開発に挑戦し、技術的に成功するとともに、次の発展を目指し胃癌・前立腺癌などで重要なエピゲノム異常を標的とする化合物開発へと進行している。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 備考 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Heterocycles
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10.3987/com-18-s(f)57
Oncotarget
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10.18632/oncotarget.25451
https://www.m.chiba-u.ac.jp/class/moloncol/
http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/moloncol/