研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、食道扁平上皮発がんの初期変化である細胞内グリコーゲン低下、消失が発がんの初期選択圧力であると想定し、グリコーゲン合成系代謝酵素のゲノム編集による扁平上皮自然発がん易誘発状態の細胞、マウスモデルの作成を試みた。CRISPR-Cas9などのゲノム編集技術により、ヒト正常食道扁平上皮細胞とC57BL/6系マウスの食道粘膜特異的にグリコーゲン合成酵素(GS)欠失とGSキナーゼ(GSK)3βの恒常的活性化型変異を導入した。本研究で樹立したこれらのゲノム編集細胞やマウスのグリコーゲン代謝や前がん性変化の長期観察により、易発がん状態が誘発されるかを検証する。
本研究は、食道と頭頸部扁平上皮がんの連鎖に代表されるフィールドがん化現象(共通のがん誘発因子により複数の領域や組織にまたがってひろく発がんする状態)と、細胞、組織の分化や発がんにおけるグリコーゲン合成系の新たな生物学的機能の一端を拓く可能性が期待される。食道がんの90%を占める扁平上皮がんの発がん特性を外挿する自然発がんモデルの構築に新たな視点を附与することにより、健康被害を来たす本疾患の病態理解、早期診断や治療法開発に寄与することが期待される。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 4件)
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