研究課題/領域番号 |
18K19600
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大須賀 穣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80260496)
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研究分担者 |
廣田 泰 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40598653)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | p53 / Mdm2 / 卵巣 / 顆粒膜細胞 / 卵子成熟 / 排卵 / 受精 / SF1 / MDM2 / 不妊 / マウスモデル / 卵丘顆粒膜細胞 |
研究成果の概要 |
本研究ではp53とその抑制因子Mdm2の卵巣における機能を検討した。卵巣顆粒膜細胞のMdm2欠損マウスは、卵子成熟・排卵・受精が障害され不妊となり、Mdm2 /p53の2重欠損マウスは正常な生殖能を示し、顆粒膜細胞へのp53誘導が卵巣機能に悪影響を及ぼすことが示された。卵丘顆粒膜細胞のp53誘導で低下する因子としてステロイド産生因子1(SF1)が見出され、p53によるSF1転写制御を確認した。ヒト体外受精患者の卵丘顆粒膜細胞のMDM2とSF1発現量は、卵子成熟率および受精率に正の相関を示した。以上により、卵巣のMdm2-p53-SF1軸が卵子の質、排卵、受精を調節していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究者らの過去の研究で子宮のp53低下・不活性化が着床障害や早産の原因になることがわかっていたが、本研究で卵巣おけるp53増加・活性化が卵子成熟不全や排卵障害を引き起こすことが明らかになり、生殖臓器の異なったp53の役割を見いだすことができた。個体が喫煙・肥満・化学療法・放射線療法などの外的ストレスに曝された場合、細胞はp53を活性化するため、卵巣のp53増加が直接的に卵子成熟不全や排卵異常を引き起こす可能性が考えられる。マウスモデルで得られた結果をヒト体外受精の臨床サンプルで確認できており、将来的な不妊治療への臨床応用への道筋をつけることができたという点で、社会的意義も大きい。
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