研究課題/領域番号 |
18K19644
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山下 元三 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90524984)
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研究分担者 |
藤原 千春 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (00755358)
岩山 智明 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (80757865)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 細胞老化 / NAD+依存性 / NMN / ミトコンドリア / 歯根膜細胞 / 老化細胞 / 歯周病 / 老化制御 / 時間制御 / SIRT / NAMPT / 時計遺伝子 / NAD+中間代謝産物 / senolytic |
研究成果の概要 |
本課題において、加齢性の慢性疾患に共通の細胞老化を標的とした新規の歯周病治療法の開発に挑んだ。高齢者の臓器においては、NAD+合成系と同依存性脱アセチル化酵素SIRT1の機能低下が報告されている。NAD+に変換される代謝産物NMNあるいは老化細胞除去薬剤処理が歯周組織構成細胞に及ぼす影響を検討した結果、NMNもしくは同経路の活性剤処理により、老化歯根膜細胞において、疲弊したミトコンドリアの機能がSIRT3/6ならびに、部分的にはPGC1alphaを介して賦活化されることが明らかとなった。これらより、NMNにより、高齢者の口腔と全身の生物学的老化が制御可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の研究成果は、NAD+中間代謝物であるNMNの補充により、老化した歯根膜を中心とする歯周組織の細胞機能の賦活化が可能であることを示唆するものである。また、そのメカニズムの一つとして、NMNによる機能低下したミトコンドリアの賦活化と、それに基づく細胞内の活性酸素種ROSの調節制御機構を示した。これらの研究成果は、細胞傷害に作用するROSを産生・代謝するダメージミトコンドリアを標的とした薬剤開発のための基盤情報となるものであり、高齢者の歯周病の発症や進行を抑制す新たな治療法の樹立への応用が期待される。
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