研究課題/領域番号 |
18K19670
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
秋 利彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60304474)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ネクローシス / 化学物質 / パイロトーシス / アポトーシス / フェロトーシス / 細胞死 |
研究成果の概要 |
化学物質による細胞死におけるアポトーシス以外の細胞死として、近年注目を浴びている分子制御型ネクローシスの関与を、様々な化学物質を用いて検討した。工業に汎用されるブタノールによる心筋由来細胞株の細胞死は、ブタノールの曝露濃度と曝露時間が大きくなるにつれてアポトーシスから炎症促進性のパイロトーシスと呼ばれるネクローシスに変化することを示した。これは、炎症応答を含まない「キレイな」細胞死であるアポトーシスから、ブタノールの濃度が高くなると、炎症応答を惹起して周辺組織にも影響を与える「ネクローシス」へと細胞死の型が変化し、ブタノールの毒性が増す要因の一つである事が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学物質による人体への悪影響は工業化された現代社会の大きな問題である。細胞死は毒性の究極の形態であり、アポトーシスが細胞死の形態として広く知られておりその作用機序の研究も進んでいる。しかしながらもう一つの細胞死の形態であるネクローシスの作用機序の解析はアポトーシスと比べ大きく遅れている。化学物質による毒性の一例としてブタノールによる心筋細胞死を調べることで、濃度依存的な毒性の上昇の背後にアポトーシスからネクローシスへの細胞死モードの変化があることを突き止めた。ネクローシスはアポトーシスより重度の障害をもたらす細胞死であり、毒性の重度化の背景にある機構の一端を明らかにすることができた。
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