研究課題/領域番号 |
18K19676
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井原 賢 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (70450202)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ウイルス / 下水 / 抗体 / 免疫沈降 / MS2 / ノロウイルス / qPCR / 環境水 / 濃縮法 |
研究成果の概要 |
抗体を用いて下水からウイルスを選択的に濃縮する技術の開発を目的とした。バクテリオファージMS2を用いて検討を行った。培養したMS2を抗MS2抗体を添加して免疫沈降した。回収したMS2量を逆転写-qPCRによって定量した。その結果、抗体の投入量に依存して、MS2の回収量が増加した。抗MS2抗体はファージQβは免疫沈降させないことを確認した。さらに、免疫沈降によって培養可能なMS2を回収できていることを培養法によって確認した。抗体濃縮によって下水中のノロウイルスも濃縮できることを逆転写-qPCRで確認した。これらの結果から、免疫沈降で感染性のあるウイルスが選択的に濃縮可能である可能性を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
下水でのウイルスモニタリングによる市中感染状況の把握は、市中での感染症流行抑制のための有効な方法として注目を集めているが、下水からのウイルス濃縮方法には改善の余地がある。本研究では、モデルウイルスを用いた実験によって、抗体を用いた免疫沈降によって下水中の感染性のあるウイルスを選択的に濃縮できる可能性を示すことができた。この技術は、ノロウイルスに限らず他のウイルスへも応用可能である。今後、大量の下水試料へ対応可能なスケールアップが実現できれば、下水中の様々なウイルスの選択的、高効率な濃縮の実現の可能性がある。
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