研究課題/領域番号 |
18K19714
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
西村 泰光 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (90360271)
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研究分担者 |
吉岡 大輔 川崎医科大学, 医学部, 助教 (40638318)
大槻 剛巳 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40160551)
武井 直子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00509276)
李 順姫 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70414026)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ナノ毒性 / チタン / 産業衛生 / 免疫 / 単球 / アポトーシス / リソソーム / カルシウムイオン / Ca2+ / オートファジー |
研究成果の概要 |
チタン酸ナノシート(TiNS)は極薄の特徴を生かした工業利用が期待されているが、その毒性影響については調べられてこなかった。細胞培養実験から、TiNS曝露がヒト単球に著しい空砲形成を伴いカスパーゼ依存性のアポトーシスを誘導し、その毒性にはTiNSの取り込みに端を発しTRPMLチャンネルを介したリソソーム由来細胞内Ca2+濃度の増加と続くリソソーム形成の過剰亢進に起因する機序が関わることが明らかとなった。カテプシン阻害剤は細胞死を抑制せず増悪させ、既知のリソソーム性細胞死とは異なる毒性機序の存在を示す。TiNS曝露による単球マクロファージ系細胞を介した免疫機能変容の関わる健康影響が危惧される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
期待の新素材であるチタン酸ナノシート(TiNS)に特徴的な毒性があることを明らかにできた。チタン酸化物は毒性の低い物質と捉えられてきたが、二酸化チタンナノ粒子(TiO2-NP )の毒性に関する報告が多数報告されたことが契機となりIARCにおけるカテゴリーが変更されるに至った。TiNSはTiO2-NPと異なるレピドクロサイト結晶構造をとり、これに起因した高陽イオン交換能の特徴を持つことから独自の機序に基づく毒性が危惧された。本研究成果は、この未知のTiNSの毒性とその機序とを初めて明らかにした。研究成果はTiNS曝露による健康影響の可能性を示し、薬剤標的となり得る新たな機序を捉えた意義を持つ。
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