研究課題/領域番号 |
18K19720
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前島 洋 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (60314746)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | リハビリテーション / 脳卒中 / 運動 / エピジェネティクス / 運動療法 |
研究成果の概要 |
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤の長期投与はマウスの大脳皮質運動野にけるHDAC活性を抑制し、ヒストンH4, H3のアセチル化レベルを増強し、神経栄養因子、最初期遺伝子等の可塑的遺伝子発現を増強した。更に脳卒中モデルラットにおいて、脳卒中後により損傷側大脳皮質運動野におけるヒストンH4アセチル化レベルは減少し、同側海馬におけるHDAC活性を増強した。これに対し、HDAC阻害剤の長期投与は大脳皮質運動野におけるヒストンH4アセチル化を増強し、海馬におけるHDAC活性を抑制することが確認され、脳卒中後の複数の脳領域におけるエピジェネティクス環境を回復させる所見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳卒中後の機能回復を目的とするリハビリテーションにおいて、運動療法は中枢神経系の可塑的変化を誘導し機能回復を促進する中心的な治療介入であるが、その効果を促進するための脳内環境のコンディショニングが期待される。本研究はヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤の投与による脳内エピジェネティクス環境の調整が可塑的遺伝子発現を増強すること、更に脳卒中によるエピジェネティクス変化を回復させる所見を得た。従って、エピジェネティクス制御が脳卒中リハビリテーション効果を増強するための有益な中枢性コンディショニングとなり得ることを示唆する基礎研究として本研究は学術的意義を有している。
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