研究課題/領域番号 |
18K19876
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊勢 武史 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (00518318)
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研究分担者 |
内田 由紀子 京都大学, 人と社会の未来研究院, 教授 (60411831)
大庭 ゆりか 京都大学, 森里海連環学教育研究ユニット, 特定助教 (30816921)
門脇 浩明 京都大学, 森里海連環学教育研究ユニット, 特定助教 (30643548)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 生態系サービス / ウェアラブルデバイス / レクリエーション / 教育 / 芸術 / 脳波測定 / 心理指標 / エコツーリズム |
研究実績の概要 |
自然の恵みを定義する「生態系サービス」という概念のなかで、食料・建築材・水の浄化などの恵みは分かりやすいし、定量化も容易だ。ところが、心理的・文化的な恵みついては、その理解は漠然としたものにとどまっている。そこで本研究では、進化生物学者・生態学者・心理学者からなる研究チームが「文化的な生態系サービス」を客観的・定量的に計測することを目指す。人間の行動やその動機となる心理的反応を、最新のポータブル脳波計やウェアラブルカメラなど小型軽量の機器でフィールド計測するのが本研究の特徴である。
2022年度は、これまでに引き続き、京都大学1回生向け少人数セミナー「森での感動を科学する」を開講し、脳波計を用いて自然体験の何が「集中度」「リラックス度」に影響を与えるのかを学生と共に研究した。この実験は、人間心理に与える普遍的な影響を知るとともに、被験者の個人差を定量化する意味でも重要であった。本研究の経過とともにデータが蓄積されていくことで、自然体験がもたらす心理的効果の総合的な理解が進んでいる。
また、青森公立大学・青森国際芸術センターとの共同事業として、本研究の成果を採り入れた美術作品の政策と展示を行った。さらに、ひきつづき京都市建設局みどり政策推進室と共同で、都市域の緑視率・緑被率が市民サービスに与える影響についての研究を実施した。緑視率については、Google Street View画像に植生を自動識別する人工知能モデルを用いて定量化した。これにより、多様な都市環境において、街路樹や公園などの緑に加え、遠方の山林の借景としての効果や、私有地である住宅の庭園が都市全体に与える効果などを定量化できた。本年度、この研究は学術論文として発表された。このように、情報技術を用いて人と自然のかかわりについて検討することが本研究課題の特徴である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、被験者との密接なコンタクトを要する研究を中心に、やや遅れがみられる。たとえば、複数の被験者を遠隔地の対象地まで自動車で案内する研究については、規模を縮小せざるを得なかった。そのような状況下で、大学近郊の、徒歩や自転車で移動可能な場所を対象地として選定し、ウェアラブルカメラによる自然環境情報収集などの研究を実施することとし、成果が見られている。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍がようやく終息のきざしを見せている2023年度においては、これまでの教育研究活動を継続するとともに、その成果を取りまとめ、学術論文や一般書、美術展のカタログなどの形で公開することを目指す。
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