研究課題
挑戦的研究(萌芽)
多孔質膜を挟んで上下二つの流路と流路間に電極を配して経上皮電気抵抗TEERを計測できるデバイスを作製した。腸管上皮細胞C2BBe1を膜上に接着させ、C2BBe1の密着結合ができたことを確認した後、上層の培地から大腸菌や乳酸菌を投入した。流速を加えることにより、これらの菌数を一定に維持して上皮細胞との共培養することに成功した。また、C2BBe1培養のデバイスの下流路にマクロファージ細胞株RAW264細胞を培養した後に、大腸菌を下流路に加えたところ密着結合が崩壊したが、大腸菌なしの場合では密着結合が維持された。これらの成果から、腸内細菌を共培養した腸管や腸炎モデルとして応用できることが期待される。
全身の疾患と腸内細菌叢の関連に関して詳細な研究は極めて難しく、腸内細菌と宿主の関係を調べるための培養系は確立されていない。腸内細菌を単純嫌気培養する手法は報告されているが、腸管組織がないので腸内細菌による代謝物質がどのように体内に取り込まれているのかまでは解析できなかった。しかし、本研究で開発した腸管組織チップでは、腸内細菌を一定数で24時間以上維持することが可能である。薬物や消化物質が腸内細菌により代謝された後、腸管組織を経由して体内に輸送されることを本腸管組織チップで解析することができることは、栄養学や毒性学において大いに役立つと思われる。
すべて 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 14件、 招待講演 5件)
Genes to Cells
巻: 25 号: 4 ページ: 257-269
10.1111/gtc.12755
Translational and Regulatory Sciences
巻: 2 号: 1 ページ: 7-13
10.33611/trs.2_7
130007808420
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 522(3) 号: 3 ページ: 580-584
10.1016/j.bbrc.2019.11.131
Xenotransplantation
巻: 26(1) 号: 1
10.1111/xen.12468
ACS Synthetic Biology
巻: 7 号: 11 ページ: 2537-2546
10.1021/acssynbio.8b00188
Digest Journal of Nanomaterials and Biostructures
巻: 13 号: 3 ページ: 451-458
10.1016/j.jbiosc.2017.10.001