研究課題/領域番号 |
18K19954
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
人文社会系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
花木 伸行 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70400611)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
60,450千円 (直接経費: 46,500千円、間接経費: 13,950千円)
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キーワード | 実験経済学 / 限定合理性 / マクロ経済理論 / 期待形成 / 行動マクロ経済学 |
研究成果の概要 |
本研究は、近年実験・行動経済学がミクロレベルで明らかにしてきた人間の限定合理的な行動のマクロ経済学的な含意を理論と被験者実験の両方から明らかにし、より効果的な経済政策の立案に寄与することを目的として進めた。特に、ミクロの限定合理性が、多数の意思決定主体の相互作用を通じマクロで打ち消されないのはどのような条件下なのか?その際、経済政策の効果は、限定合理性を考慮しない通常の理論分析で導き出される効果とどう異なりうるのか?を明らかにすることに焦点を当ててきた。研究の結果、戦略的環境(補完性と代替性)の影響に加えて、価格なのか収益率なのかといった意思決定に関係する変数そのものの影響も明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまでミクロの視点でのみ議論されることが多かった行動経済学的な学術的な知見が、金融市場など戦略的補完性の存在で特徴づけられる状況では、マクロ経済を理解する際にも重要であることを明らかにし、今後「行動マクロ経済学」の研究を進める基礎づけを行なった。これを通じて、金融政策や中央銀行の政策コミュニケーション等の研究が進むことが期待できる。また、研究開始直後に、コロナ禍を経験したことにより、これまで実験室で行うことが中心だった被験者実験をオンラインで実施する環境を整備し、その手法とノウハウをいち早く日本の他の研究者に共有したことも今後の実験研究の発展に寄与する貢献だと言える。
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