研究課題/領域番号 |
18K19958
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 株式会社日立製作所(研究開発グループ) |
研究代表者 |
斎藤 慎一 株式会社日立製作所(研究開発グループ), 基礎研究センタ, 主管研究員・部長 (80308212)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
61,880千円 (直接経費: 47,600千円、間接経費: 14,280千円)
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キーワード | フォトニクス / 量子技術 / 角運動量 / 光渦 / 偏光 / エンタングルメント / 強相関 / コヒーレント光 / 光量子 / スピン / 強相関系 / リー代数 / シリコンフォトニクス / Si Photonics / 量子光学 |
研究成果の概要 |
本研究ではフォトニック強相関系の創出を目標に,理論と実験の両面からコヒーレント光の角運動量に関する基礎研究を実施した.その結果,ストークスパラメータが量子力学的スピン期待値である事を示した.また,軌道角運動量が交換関係を満たし,導波路や近軸近似が成立する系ではスピンと軌道角運動量を分離可能である事を証明した. SU(2)空間の任意の回転を実現するポアンカレ回転子を考案し,実験的な動作実証としてC60や地球儀の描画に成功した.光渦と偏光を組合せマクロな量子ビットによるエンタングルメント状態を実現しそのベル射影にも成功した.当初の予想を超えて、光の軌道角運動量とリーダ代数のつながりを実証できた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子力学の創生に深く関わったアインシュタインは,光子とは何かを理解できなかったと述べています。本研究では、光の角運動量とは何かという基礎的な問題に対して,最先端の実験技術と場の量子論という理論的な枠組みで取り組みました.その結果,光の角運動量は量子的な性質を持っており,その状態を制御する事で様々な新しい応用が可能であることが分かりました.本研究に基づく偏光制御技術を用いると,現在の通信量を100倍程度増大できる可能性がある事が実験的に明らかになりました.また,光の角運動量を量子ビットとして動作させる事にも成功しました。今後,新しい国産光量子コンピュータや高感度の量子センサ応用が期待されます.
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