研究課題/領域番号 |
18KK0002
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊東 信宏 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (20221773)
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研究分担者 |
齋藤 桂 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 講師 (20582852)
俵木 悟 成城大学, 文芸学部, 教授 (30356274)
上畑 史 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 機関研究員 (60827864)
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研究期間 (年度) |
2019-02-07 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 東欧演歌 / ポップフォーク / クルターグ / 来訪神行事 / コリンダ / 東欧 / 来訪神 / コレダ / 語り物 / ブルガリア / セルビア / ターボフォーク / モルドヴァ / えんずのわり / 東欧の音楽 / チャルガ / 民謡編曲 |
研究実績の概要 |
本研究は、A)東欧の「コレダ」系の行事と日本の来訪神行事の調査・比較検討を行い、B)音楽における「ポップフォーク」(民俗的要素をもつポップ・ミュージックのジャンル)および民俗音楽の編曲作品、という2つのレヴェルで東欧と日本の比較を行ってきた。 2023年度の一番大きな研究成果は論集『東欧演歌の地政学:ポップフォークが〈国民〉を創る』を出版したことである(アルテス出版、2023年4月、全354頁)。これは9つの章、序論、対論、2つのコラムから成り、本研究の研究代表者、研究分担者、海外共同研究者などを含む12名の共著者によるものである。この成果に関しては『東京新聞』、および雑誌『レコード・コレクターズ』などに書評が掲載され、また音楽本大賞の第一次選考にも残るなど、一定の評価を得たと考えられる。 また昨年度オランダで調査をおこなった作曲家ジェルジ・クルターグ(2026年-)について、この調査の成果を盛り込んだ英語論文をまとめることができた。クルターグは、「コレダ」系の行事の一つ、ルーマニアの「コリンダ」に取材した大作を書いた作曲家である。論文は、彼のピアノ作品集「遊び」に関するもので"Virag az ember… Mijakonak" and related pieces: who was Mijako?というタイトルである。これはクルターグ研究を牽引している二人の研究者(Rachel Beckles Willson & Gergely Fazekas)によるContemporary Composersシリーズのクルターグの巻に収録される予定である。 一方、当初予定では日本の村落、島嶼における調査がまだ残されているが、これについて2024年の2月に能登の「あまめはぎ」を調査する計画を立てていた。しかし能登半島の震災により行事自体が中止となり、もう一年の延長を余儀なくされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記のとおり、A)東欧の「コレダ」系の行事と日本の来訪神行事の調査・比較検討を行い、B)音楽における「ポップフォーク」(民俗的要素をもつポップ・ミュージックのジャンル)および民俗音楽の編曲作品、という二つの焦点のうち、B)に関しては編著の刊行によって一つの達成を見ることができた。また「コレダ」系の行事の一つ、ルーマニアの「コリンダ」に取材した大作を書いたジェルジ・クルターグ(2026年-)の作品「遊び」に関する論文を完成し、英語のクルターグ論集に寄稿することができた(編集中)。 ただA)の課題については、初年度の「えんずのわり」調査以後、コロナ禍のゆえに実質的な調査が行えず、今年度も震災の影響もあって調査を延期せざるを得なかった。 これらを総合して「やや遅れている」という状況であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施できなかった「あまめはぎ」の調査を計画しているが、年1回の機会しかなく、今年度のように自然災害などで調査が不可能になることも考えて、宮古島の「パーントゥ」なども調査の対象とできないか、可能性を探っているところである。
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